神と僕と魔法を夢で(6)

結果だけいうと、間に合わなかった。落下速度と僕の走る速度では文字通り天と地ほどの差があった。ただ地面に触れる直前で時が止まった。本当にただそれだけだった。

「ふぅ、あぶなかったー」

「もう、いっそ死んでしまえ!」

駆けつけた僕の一言は自分でも予想してなかった暴言だった。全く後悔も反省もしてないけど。

「ふん、それが神に造られし神、神造神であるわたしに対して言うことか?」

「うん、まぁ、そうだけど」

「なんでッ!?」

「もう色々疲れたからさ、さっさと説明してくれないか?」

「あ、うん、ごめんね」

「いや、わかってくれてありがとう」

「あの、簡単にいうとわたしは神なんですよ」

いきなりすげー突拍子のないこと言い出しやがった。

神様(自称)の説明による現状説明だとこうだ。

ここは僕がいた世界とは別の世界らしい。それについては腕を切られた段階でそう信じていた。そして目の前にいる女は神様が造った神様らしい。時を止めたり人の思考を読んだり人間離れしている点から言えばあながち間違いでもないのだろう。そして僕の喋る機械の腕は付喪神と呼ばれるこれも神らしい。なるほどね、なるほど。そして全く現状が理解できないんだが…

「そしての濫用ですぅ…」

「いや、とりあえずキャラが最初と変わってるほうが問題だろう」

「マスター…」

「そういえば、千厘君にナイスな情報!パンパカパーン!!」

うわぁ、今自分でパンパカパーンっていいました!

「なんとツクモンは声が自在に変えられるのです!えっへん」

「へぇ。そこはかとなく使えないし、お前が自慢することでもないな」

「侮るなかれ、釘○さんの声もばっちり再現ですぜ旦那?」

「付喪神さん、お願いします」

「イエス、マスター」

「じゃあ、ツクモンお願い」

「ハイ、オッホン。ん、んッ。…兄さんッ!」

「そっちかーーーーーーーーーッ!期待して損したよ…。もう、お前らにはがっかりだよ。」

「兄さんやめなよ、相手は女の子だよ?」

「アルフォーーーンス!!!!!」

「気に入ってくれたかな?」

「気に入るか!腕が機械だったり、何か練成みたいなことできちゃうし、色々パクってるみたいになっちまったじゃねぇか!もう声ネタ考え付くまで自分でも気付いてなかったのに!!」

どっと疲れた。なんだろうもうダメな気がしてきた。とにかくもっと此方の世界を知るために人気のある場所に行こう。うん、そうしよう。

「あ、ところでお前まだ名乗ってないよな?なんていう名前なんだ?」

「えッ、そうだっけ?…あの、どうしても教えなくちゃダメかな?」

「嫌なのかよッ!」

どんだけ嫌われてんだ僕は…

「嫌じゃないけど…」

煮え切らないやつだ。

「嫌じゃないならいいじゃんか」

「うー、…うん。わかった。わたしの名前は」

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