神と僕と魔法を夢で(4)

「説明、といっても何から話していいのやら」

「まずは姿ぐらいあらわせよ」

「無理だ」

「だからあきらめが早いっつーの」

「違う、物理的な理由で無理なのだ」

「物理的な理由以外の無理はただのわがままかめんどくさいだけじゃん!」

「なんとも口が減らない男だ。さぞ女にモテないのだろうな」

「ッ!?おーけー、脱線しかけてるぜ冷静になろう。お互いに」

「そうだな、まずは私を助けるところから始めてくれ」

「説明が足りなすぎるわッ!」

「へ、へるぷみー」

か、かわいくいっても僕の気持ちは揺らがないんだぞ!

「こっち、こっち。はやく助けて!」

頭の中にこの声の主の位置情報が流れてくる。なんともまぁ、便利なことだ。便利ならいいというものではないだろうに。
 呼ばれるがまま歩みを続けるとそこにはこんな地平線も見える平原には似つかわしくない、鉄柱が建っていた。
 そして、予想はできたがその天辺に声の主は立っていた。いや、しがみついていた。猫かお前は。あ、ただの馬鹿というのも考えられる。

「馬鹿っていうなアホ!」

心を読んだならやめてほしいし、そうでないなら自覚してる分性質が悪い馬鹿だな。

「助けるっても、階段も梯子もないんですけどー」

まぁ、あったら自分で降りれるか

「付喪神!」

つくも?なんのことだ?

「イエス、マスター」

うおッ!手がしゃべった!

「なんぞこれ?」

「説明は後だ、付喪神よダルマ落とし大作戦だ!」

「イエス、マスター」

ツクモ、とよばれた機械の腕は僕がイメージしていないのに右手に日本刀、左手にハンマーを具現化させた。僕の意思は無視されてるのね。それにダルマ落しってことはつまり、刀で鉄柱を斬って、斬ったところをハンマーで叩いてくのか?すげー無茶がある気がする。でも体が、いや、腕が勝手に動く。さっきのホルスタインもお前が倒せよ…

「マスター、今たすけまス」

ヒュン

と、空気を斬る音が鳴り鉄柱に斜めの線が入る。予備動作が全くなかった。居合いといわれる部類の剣術だろうか?なんにせよ、腕は立つようだ。腕だけにか

って、えッ、斜め?

「こらッ、付喪神、馬鹿!いやァーーーーーーーーーーー!!!!!!!」

まるで映画のワンシーンであるかのように鉄柱は滑るように綺麗に倒れてきた。

慌てふためく馬鹿をしっかりと視界に捉えながら僕は全力疾走を始めた。

天地明察
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この記事へのコメント

かの
2009年12月23日 08:43
更新まだかい!?
何気に楽しみにしてるのだが…(・ω・)

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