神と僕と魔法を夢で(2)

とても醜い音で僕は目を覚ました。
そして、その音が自分の喉から、腹から、口から、声帯から発せられた音だとすぐにわかった。
僕は今、両の腕を、肘から、下、切断、さ、れ、た。

あ゛ぁぁぁぁぁぁッ!?

激痛で思考が鈍る。目の前に対峙した異形の生物について考える余裕は残っていなかった。
肘から下が勢いよく血を放つ。人体に血がこんなに詰まっていたんだなと感心している場合じゃない。そうじゃなくて、まずは止血だ!血がなくなれば死ぬ。まずは生きなくては!だがどうやって?腕がないのにどうしろと?これでは死ぬしかないではないか。神様、あんたバカか?これでどうやって生きろっていうんだ?

「誰がバカだって?よく自分の腕をみてみろ」

え?

謎の声に気を取られた瞬間に肘から下の感覚が甦った。熱くて冷たい血の流れも止まっている。
しかし、僕が目にした腕は、僕の知っている、僕の腕ではなかった。それは艶のない鋼色で、どこかで見たことがある、そう、ターミネーターの腕と似ている、機械の腕だった。

なんだよこれ?格好いいけどそれとこれとは話が違う。

「なんだよこれはっ!」

「説明は後だ、まずは敵を殺せ」

「敵?」

「そうだ、今の私では時を止められる時間もそう長くはないぞ!そろそろ動く、肩慣らしならぬ腕試しで奴を滅却するのだ!」

「なんだかよくわからんが、シリアスだな?ならばやってみるが、腕試しってことは、この腕に何か武器でもあるのか?」

姿が見えない声の主だったが、確かに、ニヤリと顔を歪めたのだけは、わかった。

「おまえの望んだ形を具現化できる。ただし、今は制限がかかっている。近接武器しか具現されないはずだ」

「はずとはまたアバウトだな!だが、近接武器だな?今はそれで充分だ。斬られた腕の仕返しはさせてもらうぜ?化け物さんよっ!!」

敵は、敵と呼ばれたそれは、雰囲気が何処となくホルスタインを連想させる。だが、後ろ足は太い一本が真ん中にあるだけで、頭部には目も鼻も口も見あたらない。ただ、角が蛇腹になっていて伸びきっている。先端は鋭利なナイフの様だった。
そのナイフが僕の腕を切断したのであろう。真っ赤に染まるそのナイフが僕をこのよくわらない世界に陥れたのだ。

「さっさと武器をイメージしろ」

「わかってるっつーの!オラ、死にさらせぇぇぇぇッ!」

僕が瞬時に思いついたのは大剣だった。返し刃を考えずに一撃で屠るために。両の手を、その機械仕掛けの手を、大剣をイメージしながら力の限り振り降ろす。
イメージの大剣が敵に触れる刹那、それは具現しホルスタインを心中で両断した。

リィィィン

鈴の音の様な音が鳴りホルスタインは左右に開かれ、大剣は姿を消した。

「及第点…だな」

「はぁ、はぁ。全く、そいつは光栄だよ」

「時が動き出す、説明はそれからだ」

「分かりやすく頼むよ、何もかもが理解の範疇を越えてるもんでね」

「無理だ」

「あきらめ早っ!」

ジンジンとした痛みが甦ってきた。

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